パジャマを変えてみた。今までは下着屋さんに売ってるちょっと可愛いパジャマを着ていたけど、新しいのはちょっとした有名ブランドの。
お風呂上りに初めて袖を通して見るともこもこしていて肌触りがとても良い。さすがブランドものだ。気持ち良く寝れそう。
寝室に入ってドレッサーの前に座ってスキンケアを始めた。
「なんかふわふわしてそうなの着てますね!」
「、びっくりした…。まだ起きてたんだ」
「俺のはないんすか?」
もう寝てるかと思ってた。ていうかいつもは寝息立てて先に寝てるのに。明日、早いから寝れば良いのに。
「ほしいの?」
「お揃いって良くないですか?一緒に住んでるっぽい」
「……あっても着ないでしょ。ジャージが落ち着くって言って」
「着ますよ!」
照れを隠すように化粧水を肌に染み込ませた。
なんだ、じゃあ買ってくれば良かった。ペアで着れるやつだったし。けど、いつもジャージな栄純がこんなパジャマを着てるの、ちょっと想像できないかも。バカップルっぽくならないかな。大丈夫かな。
今度買ってこよう。まだあるといいけど。
「さん」
「?」
「こっちこっち」
ベッドの上であぐらをかいて手招きする栄純。
結局私もそこで寝るから呼ばなくたって行くんだけど……。
言われるがままに手早く肌の手入れを終わらせて、私もベッドの上に乗れば腕をぐい、と引かれた。体勢を崩して前のめりになれば栄純はしっかり支えてくれて、くるりと私を反転させて後ろから抱き締められる。
「やわらけー……!」
「ちょっくすぐったい」
「抱き枕にして寝ていーですか?」
顎を私の肩に乗せて、もこもこしたパジャマの上から私の腰周りを撫で回す。耳元で喋るし栄純の髪の毛がくすぐったいし。
「抱き枕は苦しそう」
「大丈夫ですって」
「えー、っ、」
急にごろん、と私を巻き込んで寝っ転がりだすものだからちょっとびっくりした。
パジャマの上から腰を撫でていた手が上に上がってくる。
「ちょっと、何してんの」
「すげー柔らかい!」
「そうじゃなくて、」
柔らかいって、それはありがとうございます。パジャマのせいか私自身のことなのか、まあそこはいいとして。
いつもならこの雰囲気に飲まれてしまうのだけど、生憎明日は早いのだ。
私が栄純の手を掴んでも手は止まらないけど。
「ダメですか?」
「ダメ。明日朝早いでしょ」
「大丈夫ですよ!」
「だから、栄純が大丈夫でも私は大丈夫じゃないの。今日はダメだからね」
この前は栄純の押しと流れでしてしまったけど、またあんな風に私の方が起きるのが遅くなるのは避けたい。
なんとかしてくるりと栄純に向き合うと、口を尖らせていた。
「俺がさん起こします!」
「だから、それが嫌なの」
「なぜ」
「栄純起こすのは私の役目だもん」
栄純より早く起きて、朝ごはんを用意してぐーすか寝てる栄純の肩を揺らして起こしたい。それが私の日課だから、それができないとなると栄純は朝ごはんも多分適当になるし、申し訳ないし。私が栄純にできることなんて限られてるから、できることはちゃんとやりたい。
「……俺、さんの寝顔好きですけど」
「は、」
「だからゆっくり寝てていいんすよ!さんが目覚ましで起きなかったら俺が起きるし!」
「意味がわからっ、!」
会話!会話が成立してない!
なのにそんなこと栄純は気にせず、結局私はいつも通り栄純にされるがままになってしまった。
明日、私に怒られても知らないからね。
パジャマ